ファッション･アイ シルクロード

多種多様な地形や景観を横断するシルクロードは、恐れ知らずのトラベラーたちを長年にわたって魅了し続けてきました。日本人フォトグラファー、篠山紀信もその1人です。「ファッション･アイ シルクロード」には、1981年から1982年に出版された8冊の中からセレクトした写真を収録。市場の風景や礼拝所など、人々の暮らしを伝えています。また、アフガニスタンのバーミヤン渓谷の仏像、シリアの古代都市パルミラやアレッポのスーク(市場)といった、戦争や過激派組織により無念にも破壊された貴重な遺物の記録にもなっています。

東京出身の篠山紀信は1968年に発表した「篠山紀信と28人のおんなたち」で、様式化されたアプローチによって女性のヌードの概念に革命を起こし、その名声を確立しました。また、一流ファッションブランドや雑誌の作品、ジョン･レノンとオノ･ヨーコのシリーズなどのポートレートでも同様の評価を受けています。今日まで続く彼の多面的な仕事ぶりは、永遠を切り取ることの喜びに突き動かされています。

ルイ･ヴィトンが持つ旅の伝統から着想を得た｢ファッション･アイ｣コレクションは、気鋭の新人から業界のレジェンドまで、ファッションフォトグラファーたちの目を通して見た都市や地域、そして国を捉えています。シリーズの各ブックは幅広くセレクトした大判写真で構成され、フォトグラファーの経歴やインタビュー、または評論を添えました。「シティ･ガイド」や「トラベルブック」に続く第3弾は、ファッションの視点から見た旅の風景です。選ばれたフォトグラファーたちが大都市や最果ての地、夢見た場所をユニークなビジョンで切り取っています。光を当てるといった地道な活動も行っています。