
ナイジェリア出身のオトボング・ンカンガは、主にアフリカで過ごした幼少期のおかげで、土地や自然を愛するようになりました。場所を問わず、有機物の中を歩き回ったり、地殻のコアサンプルを探ったりするような、素晴らしく自由な旅へと同時代の人を誘います。常に自身のルーツである、自分に呼びかけていると感じる時間の考古学に立ち戻り、積極的な観察者、可能性の探求者、そして詩人として同様にアプローチを続けています。
ルイ・ヴィトンの「トラベルブック」のために、オトボング・ンカンガが表現したのは東洋の真珠として知られる上海の繊細で、オフビートな珍しい視点です。今日、中国の「光の都」として知られる上海は、現代性を全面的に取入れ、驚異的な発展を遂げている、夢のある広大な都市です。ザ・ウォーターハウス・アット・サウスバンドから黄浦江のほとり、浦東のスカイラインと印象的な上海タワーに面したリバーサイドのブティックホテルなど、ンカンガはこの地域の地理を学び、長い大通りやストリートが直線的に並ぶ都市の幾何学的構造に注目しました。
詳細
「私にとって絵を描くことは、アイディアや感情、考えを明確化してくれます。それにより、空間を整理し、異なる世界を融合させ、グアッシュや彫刻、インスタレーションとして輝きを放つかもしれない現実を作り上げるようにしています」──オトボング・ンカンガ
トラベルブックについて
世界中から著名なアーティストや新進気鋭のアーティストを迎え、各々が訪れたことのない国を旅して描くルイ・ヴィトンの「トラベルブック」──遥か彼方の未開の地や眠ることのない都市の旅を現代的で新たな視点で捉えています。知らない場所に立った彼らの視線は未知のものに対する驚きによって研ぎ澄まされ、あるいは再発見の喜びによって刺激されます。