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「The Spirit of Travel」by ジャン・ラリヴィエール

「The Spirit of Travel」by ジャン・ラリヴィエール

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今から40年ほど前、ジャン・ラリヴィエールは言葉にできない理想的なイメージ──ルイ・ヴィトンの「The Spirit of Travel」を捉えた壮大な風景を求め世界中を巡りました。

1980年代初頭、フランス出身の写真家 ジャン・ラリヴィエールは、第1弾となる「Spirit of Travel」広告キャンペーンのため、グリーンランド、イエメン、ビルマ(現ミャンマー)、レユニオン島、パタゴニア、タイ、ネパールなど世界中を旅しながら壮大な風景を捉えました。この夢のような広告シリーズは、メゾンの想い出深いイメージとして、ルイ・ヴィトン創業当時からの哲学を新たな時代へと昇華させました。

これらの写真を撮るために経験した旅は、まさに彼自身の内なる探求でもあり、回を重ねるごとに撮影地もより遠く、より辿り着くことが困難な場所を探し求めていきました。

印象に残る写真としてラリヴィエールが挙げたのは、チリの広大な塩原の南で撮影した1枚。「チリ最大の衝突クレーターがある場所を求めて、オフロード車で5時間。到着した時には日が暮れようとしていて、カメラを三脚にセットする余裕すらなかった。サンドバッグを地面に置いてカメラのバランスを取り、2つの異なる玩具のロケットを使って2枚撮影したんだ」。

ディテールや正確さを求めて取り憑かれたように探究する鋭い視点──ラリヴィエールは写真を撮る前に構図を想像し、類い稀な錬金術師のような感覚を注ぎ込みながら壮大な風景を捉えたのです。

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